2012年7月4日水曜日

ガソリンスタンド

ガソリンスタンドでバイトしている。

車通りもさほど多くない片側1車線の道路沿いにあるスタンドで、俺は客を待つ。
バイトを始めてわかったが、スタンドでは「客を待つこと」が大切な仕事なのだ。
通りの車がウインカーを出して速度を落としたら、給油口のついている位置を確認して誘導する。
この誘導をスムーズに行うため、絶えず道路に意識を配りながら「待っている」のだ。
積極的待機である。アクティブスタンバイである。まあどうでもいい。

問題は、客が全然来ないことだ。

ひどい時は1時間に1台しか来ない。
「やーめりゃいいんだよぉこんなのぉー」
ぶつぶつ独り言で文句を垂れながら額の汗を拭う。
右から車が走って来ては左へと走り去ってゆき、左から車が走って来ては右へと走り去ってゆく。
ナンバーの上2ケタと下2ケタの差を暗算して暇つぶしを試みるが、
そもそも正解したのかどうかが自分ではわからないのですぐにやめた。


仮に客が来たとしよう。

「いらっしゃいませ」
「レギュラー、満タン、現金」
「かしこまりました」

客に言われた通り「レギュラー」のボタンを押して給油ノズルを車に突っ込む。
程なくして給油は終わり、機械は勝手に止まる。
給油ノズルを車から抜いて、客から現金を受け取る。

そして俺は「セルフいけやボケー!!」と心の中で叫びながら、
「ありがとうございましたー!!」と最高の態度でお客様をお見送りするのだ。


「油を売っている場合ではない」とは、まさにこの事である。



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